こしあんも好きですが、つぶあんも好きです。
小説家になりたいと思ったのは高校生のとき。友達に誘われたからでした。「生とは何か。死とは何か」そんな誘い方って、あります?後年、そのことを本人に言ったところ、当人はまったく覚えていませんでした。まったく、面白い世界ですよ、創作とは。
篤は穴を掘っていた。スコップを右手に篤は宝物なら隠せそうな穴を掘っていた。
「カネはいらんのか。だったらさっさと出ていけ、チンピラが」
おじさん、毎週金曜日のこの時間に、ここに来るっしょ。
駐車場に車はまばらだった。観光バスも停まっていない。コロナ渦の紅葉の名所。
マツはもう、髪を剃ることをやめた。この黒髪は、もう何百年とつやめきを保ち続けているのだから。