ふたりの絆(25)
危機一髪(徳島編)
夜の明石海峡大橋は綺麗だった。
ヒカルはアカリと別れた後、岐阜の自宅へ向けて車を走らせていた。
丁度明石海峡大橋の上を走っていた時のことだ。
ヒカルは三車線の中央を80キロぐらいの速度で走っていた。
すると、いきなり右に大きく振られたのである。
速度を出していた自分も悪いのだが、車は欄干に向かって一直線に進んだ。
「危ない!!」
ヒカルは急ブレーキを踏んだ。
車は悲鳴をあげて右端ギリギリで止まることができた。
ひとつ間違えば、明石海峡大橋にダイブして死んでいたかもしれない。
幸いにも後続車と距離が開いていたため、大事故にもならずに済んだ。
原因は、強烈な海風だった。
橋に入る時、上の看板に『横風注意』と書いてあったのだが、まさかこんなに強烈な風が吹くとは予想もしなかった。
夜景を楽しむゆとりなど、一瞬にして消えてしまった。
(とにかく早くこの橋を渡ってしまおう。)
ゆっくり、尚且つ早く橋を走るヒカルの車だった。
(いい勉強をさせてもらったな。)
今度来ることがあれば、ゆっくりのんびり走りたいと思う。
→「許嫁とヒカルの想い」をお楽しみに。 1/18更新
ホタル:ヒカルはいつも危ないところを、すれすれのところで
まぬがれていますね。群馬に行く道も危なかったですよね。
これはまさに、ホタルが傍で守ってくれていることを感じますね。
-25-
ふたりの絆(25)