夜
谷底をあるくひとへ
草木のない
水もない
真っ暗な谷底を
ただてくてくとあるいている
どこから来たのか
どこへ向かうのか
考えることもせずに
ただてくてくと二本の足をうごかして
ときどきは立ち止まる
空を仰いでみる
月はなく
つめたい星の光が
額におちる
またてくてくとあるきはじめる
かすかな風が頬をなでる
花の香りをかいだ気がした
夜
谷底をあるくひとへ
草木のない
水もない
真っ暗な谷底を
ただてくてくとあるいている
どこから来たのか
どこへ向かうのか
考えることもせずに
ただてくてくと二本の足をうごかして
ときどきは立ち止まる
空を仰いでみる
月はなく
つめたい星の光が
額におちる
またてくてくとあるきはじめる
かすかな風が頬をなでる
花の香りをかいだ気がした
夜