無常

物には呼び名がある
それはその物と人をむすびつける関係
それはつかえばつかうほどなれてきて
その人にはあたりまえになり
そしてほかの人もそれをつかうようになり
多くの人がつかうようになって
社会の通念のようになる
時間も場所もかんけいなく
あたりまえに
同じ名がついてる遠くはなれたあなたの前にある物と
いまここにあるわたしの物とおなじなのか
それは
別の物
おなじ名でよんでるべつの物
物だけでない
自分や他の人のことでもおなじ
そしてあらゆる存在するものもそう
きのうの自分とあしたの自分はちがう
生まれたときと今日の自分はもっとちがう
おなじだとおもいこんでるだけ
べんりだからそういうふうにしているだけ
知ってる人には名前がある
ずっと同じ名でよんでいる
今日のあの人は以前とちがう
おなじだとおもいこんでるだけ
べんりだからそういうふうにしてるだけ
かわらない物はなく
ずっとおなじようにあるものはなく
そんざいするすべてのものはこくこくとうつりかわる
言葉のマジックで仮の世界でくらしているのがわたしたち
ずっと同じとおもって
なにもおかしくおもわなくなるのが人の世
無常