イミテーション
前途は崩壊の一途を辿り
必死の嘆願も虚しく掻き消され
あとは心身が滅びるのを待つしかなくなってしまった
いつもそうだ、願いは聞き届けられない
受理される嘆願などない
焦燥のなかで祈る人間ほど惨めなものはない
それは純粋な祈りではない、傲慢な訴えだ
だから俺は失敗した、天から見放されたのだ
祈りとは何たるかを知りもせずに
祈りのふりをしつづけた結果がこれだ
俺はもっと無防備にならなければならなかった
保身や体裁など打ち捨てて
犠牲的になることに積極的でなければならなかった
俺にはその覚悟が欠如していた
屈辱に刺される覚悟が欠如していた
そんな半端な人間の願いなど足蹴にされて当然だった
あらゆる光は罠、というのは少し違う
あらゆる罠が光のふりをしていたのだ
イミテーション