罪に先立つ罰
罰が罪に先立つ、ということはあるだろうか
そうでないなら、この存在の痛みにどう説明をつければよいのか
この得体の知れない罪悪感に、どう説明をつければよいのか
わからない、俺は何もわからずにこの謎の苦しみを苦しんでいる
在ることの痛みを痛んでいる
この痛みはどこから来るのか
なぜこれほどまでに痛覚が鋭敏になっているのか
死期が近いのか?
偏頭痛のような罪悪感が俺の神経を苛む
断片的にしか思い出せない、精神的な
歴史。継ぎ接ぎの歴史が俺の実存を蝕む
俺はほんとうに生きたことがあったろうか?
今までしてきたのは生きてるふりではなかったか?
この謎めいた鈍痛は俺の多面性、欺瞞に由来するのではないか?
決着のつかない問いの連鎖がまたしても俺の罪悪感を煽る
俺はもはや罪人以外の何物でもない
それも罪を明かされない罪人。
人は生を享けた瞬間から罪を背負っているというあの言説は正しかったのか?
罪に先立つ罰