『オリオン座』

幸せは公平に分配される訳じゃない
分かっていても星に願いを


『オリオン座』


どこまで好きになれば愛と呼べるの
この気持ちの行き着く先は分かるのに
どうやって行けばいいのか迷子
君が手を引いてくれればいいのにな

二人で見た空なのに覚えてるものは
実は全く違うなんてのもよくある話
同じとこを見てるはずなのに
違う星座をなぞっている今も

アタシの赤くなった指先が
空ではなく君のコートを掴む頃
酔っ払ったアタシとシラフの君
その唇と唇が触れ合う頃

君越しに見えるオリオン座の
余りに呆気なく見つかる様
綺麗で泣きそうなのに
この場には相応しくなくて誤魔化した

多分涙なんて不必要
ただ幸せでいていい筈なのに
もっとひとつになりたくて
焦れったくてもどかしいだけ

いつもちょっとだけ冷たい
君が纏う空気が好き
澄んでいるからよく見えるの
ちゃんと目印にしてるから安心して



「君の中のオリオンで迷う事もできない」

『オリオン座』

『オリオン座』

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2025-01-14

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