『読書メーターより感想集。』
ゆずりんこ。という名前で読書メーターというサイトとアプリで書いた感想とつぶやきを一部抜粋して転載しています。
読みやすいようちょっと手直ししています!(*´ω`*)
現在は読書メーターのアカウントは削除済です!
よろしくお願いいたします。
◎クリスマスの真珠 (フォレスト・ブックス)
ミーシャ ダムヤン
大人でも子供でも親しみやすい絵です。(絵本です)
深い青が優しくて、慈しみのある光や動物たちの描き方でした。
わたしは好きです。
文章は宗教的な信仰の色があります。
文章についてはわたしはあまり詳しくないのでわかりませんが、イラストの感性にわたしは惹かれるものがありました。
アレクサンダーライヒシュタインさんの絵画展などあったら嬉しいなと思いました。
◎言葉なんていらない?: 私と世界のあいだ (シリーズ「あいだで考える」)
古田 徹也
コミュニケーションにおいて言葉とは私達にとってどういった意味合いがあるのか。
私達の言葉というものは物事に特定の角度から光を当て、そこに浮かび上がる特定の相貌を際立たせる役割を果たす。
物事の特定の相貌に私達の目が開かれる、その相貌に関心を向けることを学ぶことという記述が本書にあるのですが、そこが本書を読んでわたしが特に納得したことです。
読後、個人的に思い浮かんだ言葉があります。
『言葉は、自由だ。』
むしろ本書は言葉の制約をきちんと説明してくださいます。
ただわたしは勇気をいただきました。
◎アラベスケ: 遠藤周作初期エッセイ
遠藤 周作
本書でわたしが著名な作家のふとした普遍、人間らしさを特に感じたエッセイは2つ。
『こんなことして……』と『病院にて』です。
深い社会経験を経てひとびとの心を震わす文を書き上げる作家はわたし自身とはいつでも遠い存在です。
しかし時代が加速するよう思える時や病んでしまった時など、ご自身の人生経験から生まれる言葉たちは作家が服を脱いでくださいます。
その孤独に共感してしまうしその拭えない価値観は、立ち止まってしまったいつかどこかの誰かにとっても大切なものだと思います。
読みやすい文章ですが視点は鋭いです。
◎遺伝子が私の才能も病気も決めているの?
上大岡 トメ
地球に生きるヒトの歴史を遺伝子に焦点を当てひもとく本。
ウィルスに感染すると組み込まれたウィルスの遺伝子は生物(宿主)に定着、共生して後世に伝わる。
ヒトのDNAには約38億年分の生命の記憶がウィルスをを介して刻み込まれている。
ヒトには存在しているけどオフになっている遺伝子がたくさんある。
DNAは死ぬまで変わらないが環境と交互作用により、今から未来へ向けて遺伝子が発現する可能性は全てのヒトに存在する
ヒトは99.9%DNAが同じ。
多様性は0.1%が生んでいる。
『あなたはひとりではないのよ』が染みる。
『遺伝子が私の才能も病気も決めているの?』という本(漫画)を読みました。
人類の歴史に(DNAや遺伝子)初心者であり門外漢なわたしにもなんとかついていけるくらい、地球に生きるという学問をわかりやすく教えてくださり、しかし内容は読後まで優しく希望を遺してくださる良書です。
わたしの口から言うことはお恥ずかしいのですが、きっと構成なのか組み立て方がすばらしいのだと思いました。(常識であるが難しいことを広くきちんと伝わるよう言う) 前半の内容はわたしは持病を持っているのでうなずくことがたくさんありました。
◎争いばかりの人間たちへ ゴリラの国から
山極 寿一
類人猿と人類の社会を行き来する学者さんの記事集。
戦争に焦点を当てた第三章の暴力の起源が大変勉強になりました。 本文から、戦争は人類の攻撃性を狩猟生活が高めた結果ではない、(むしろ)狩られる生活のなかで人類が生存のために生み出した、特殊な集団意識とコミュニケーションの産物なのである、とあります。
勝っても負けても戦争をするという人間の過度な攻撃性は人間自身に帰属するのではとわたしは読み取りました。
簡単に正当化できない行動がみんなでする戦争なのかもしれません。
群れる理由とその自由をきちんと知ることができます。
さきほど谷川俊太郎さんと合田里美さん、ふたりの編集者さんたちが一冊の絵本をつくりだし世におくりだすドキュメンタリー番組を視聴しました。(自死について専門家のご助言もあります)
さまざまな経歴、社会経験、お立場の方々と共にお仕事をするという面白さと、それぞれのお仕事についての哲学というかひたむきさが真摯にあらわれていた番組で、わたしは見ていてなんだか嬉しかったです。
絵本の内容はこどもの自死についてです。
どこにでもいる、ぼく。
さまざまな方々のお仕事の結果を、ぜひわたしも真摯に読んでみたいです。
◎先生はえらい (ちくまプリマー新書)
内田 樹
人間は自分が学ぶことのできることしか学ぶことができない、学ぶことを欲望するものしか学ぶことができない。
(学びとは)「自分の欠点の補正」と「未熟さの発見」という事業。「自分は正しい」ということを前提にした「学び」は成立しない。
本文のこの部分がとても私には体験から腑に落ちる。
この今の私で学ばせていただくと、私が美しい誤解をした先生たちが私には非現実も現実も身近に数人存在する。
彼等の存在は私の評価を超えるが私の価値観に触れてくれる。
彼等にとって私は取るに足らないが私には居てほしい人達だ。
こんばんは。 学生の頃から持っている本を今日は読み返しました。 先生はえらいという本です。
道に迷う気もちが漂う度に読むエッセイです。(教育論とありますが、私には著者の教育についての考え方が強く出ているような気がする文章で、かつ易しくユーモアを持って読者へ開かれているように見えるので、エッセイに近いのかなと感覚的に思っています。) 私の体調が芳しくない時にも、いつも助けていただいています。
感謝です。
◎なぜかミスをしない人の思考法 (知的生きかた文庫 な 42-1)
中尾 政之
〝失敗学とは「ミスを予防して損失を少なくすること」でその目的は「成功すること」である。〟と、本文にあります。
仕事についての著者の哲学と忠実に働き続ける読者たちへの発破が、最初から最後の文まで厳しくも明るく染みています。
失敗という1ケースを、多角的な視点といろんな人たちの視野で観察し早急に対処する重要さを説いています。
個人的には、天才や才能がある人々に負けないと強く思う人たちや、組織の中を泳ぐ人たちにおすすめな本と思います。
私自身にとっては働くにあたっての基礎がなぜ存在するのかを優しく教えてくださる本でした!
◎虹ヶ原 ホログラフ
浅野 いにお
魔法の箱です。
◎こどものおもちゃ。
小花 美穂
小学生の頃から大好きな漫画です。
成人も子供のキャラクターたちにもちゃんと〝大人〟への成長物語があって、笑いや明るさの底に哀しみや辛さがあっても、最終的には優しくなる強さを教えてくださる本です。
私はこの本は、私が好きなひとたちにおすすめしています。
赦す赦さないの道の途中に迷いながらも、あらゆる関係性のなかで現在を生き抜くキャラクターたち。
最終巻まで、その生身の生き方を感じられるようなストーリー。
私は子供の時は千石先生が大嫌いでしたが大人の今は、いるいる〜ってなんだか可愛く思ってしまいます。
◎裁判員17人の声――ある日突然「人を裁け」と言われたら?
裁判員経験者ネットワーク、牧野茂、大城聡
特に共感したインタビューは15人目の裁判員。
「(略)証人のほとんどが現場にたまたま居合わせた人たちでした。ひとつの現場に、見ず知らずの市民が無意識に関与していることを知り、それが社会だと思いました。」 「(略)世間で起きた犯罪や社会問題への判断や対応は、司法の専門家がやるものだと思って生きてきましたが、自分を社会を構成する市民の一員であって、自分の住む社会をより良いものにしていく責任があるんじゃないか」
一市民が人を裁く立場に立つ経験を意味づけるものはその後の裁判員の人生を変えるほど深い。
日本の裁判員を経験したひとたちのインタビュー集を読みました。
(インタビュー形式なのですいすいと読みやすいですが、17名それぞれの体験内容は市民とはどういった立場か、社会とはどういう存在なのか、被告人という人間を裁くとはどういう影響がある行為なのか……と、考えざるを得ない体験だったのではと想像させる重さがインタビューに滲んでいます。)
私は裁判員制度の基礎知識も恥ずかしながらありませんでしたので勉強のため読みました。
無罪推定の法則を知り裁判員制度の理念に少しだけ、触れられたような気がしました。
◎スヌーピーこんな生き方探してみよう: Peanuts key words (朝日文庫 し 30-2)
ほしのゆうこ
再読。
漫画と翻訳とコラムで構成された本です。(複数の視点と視野を経てつくられた本だと思います。)
本を開けばいつでも、ささくれた日常の刺激からそっと手を引いて息抜きをさせてくれたり希望ある視点から状況をぱっと明るくしてくれたりする、そんな良書です。
ご自身が本を読むに至る状況により、こころ響くページが違うと思います。
そのような意味合いでも何度も読ませる、人生という旅の途中でめくりたい本です。
私は本書を読むと懐かしむような励まされるような気持ちになることが多いです。
今は新しい本を読む気力が私はちょっと無いので昔から持っている本(漫画含め)を再読して感想を書きました。
どの本も私にとっては大切な思い出をもたらす本たちです。
ずっと携えている本ってそうですよね。(図書館から借りて何度も読み込む本も。)
お時間等ございましたら、みなさまも読んでみてくださいませ!
『読書メーターより感想集。』