もう、なにも珍しくない

かつてのビートニクを思い浮かべ、時代の気分を想う

警鐘

警鐘

もう、なにも珍しくない

捨てアカウントで
必要ないメールアドレスで
アバターみたいだ

路上で吠える理由
窓枠の外、雨音について
マスクの意味

もう、なにも珍しくない

壊れかけた外壁
爪の色
よく見掛けるようになったこと

ほつれ


もう、なにも珍しくない

検索履歴に引っかき傷を遺してやる
データ上でのわたしは偉大な変人
今さらの事柄

ビートニク
アレンギンズバーグ
2020年

もう、なにも珍しくない

現代詩 -ひとつや、ふたつ-

現代詩 -ひとつや、ふたつ-

咳のひとつや、ふたつ
どうってことも、ないから

アーカイブの中に
きみが望むものがあったかい?

ひとつや、ふたつを漏らしたって

どうってこと、ないさ


マスクの中で、呼吸をする
籠っているのは、きみの呼吸
はあ と
ふう と

アーカイブの中に、
きみが望むものがあったのかい?

ひとつや、ふたつ

漏らしたって

どうってことは、ないさ


呼吸をしているのは、きみの呼吸

熱がこもり、ひとつ、ふたつ
アーカイブの中にある

もう、なにも珍しくない

もう、なにも珍しくない

ビートニク アレンギンズバーグ 吠える アバター マスク

  • 韻文詩
  • 掌編
  • 時代・歴史
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-05-10

Copyrighted
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  1. 警鐘
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