苦の涵養

適切な頼り方がわからないから
本能の赴くままに 縋ってしまいそうになる
本当は きみに謝ってほしいわけじゃ
ないんだ
謝られると 赦さないといけなくなるから
だれかを赦すだなんてこと
じぶんの咎にさえ
目を背け 逸らしてきた私なんかが
していいことじゃ
ないから
赦して 認めてあげるのは
じぶんが じぶんに対してだけでいい
それでもまた
ありもしない罪を被ろうとしてしまう
きみも 私も
適切な頼り方がわからないから
本能の赴くままに 縋ってしまいそうになる
不安で安定していることに気づいてしまった じぶんに

苦の涵養

苦の涵養

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-05-05

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