ぽーんと鳴る音がした

ぽーんと鳴る音がした

   



   



   

  



   



   



 
淡い光なら そっと去る人

   たったいま 

   この景色を知らせずに





しあわせなことなのだろうか

あの夏を憶えない いつかの日

わたし





あなたのもので

わたしのもので

わたしたちのもので

わたしたち 

消えて





こんなにも紅くて

こんなにも蒼くて

陽射し

涙を 

懐かしんで





さみしさ 危うく

         手のひら 包んできた数ヶ月

  遠くなる

  あなた





思う

気が遠くなる

ぽーんと鳴る音がした

一人で音を聴いた





生きている骨身

どこまでも

白いひと

忘れてゆく

書きかけのまま





「リルのおうえんだんちょうよ」

なけなしの先をゆく身を

拾い上げて





ひとを

乞う

すり減らして 火を残して

途方の彼方 ここにあるなら





噛む

月命日の紫煙

「ひと」 

文字を こめる  ただ遠く 一人のひと
   



   



   

  



   



   



 

ぽーんと鳴る音がした

作者ツイッター https://twitter.com/2_vich

先端KANQ38 ツイッター https://twitter.com/kanq3
先端KANQ38 公式サイト https://neuedada.wixsite.com/kanq38

歌集を電子書籍で発行しました。
よかったらお買い求め下さい。
http://amzn.asia/4PTNRkt

ぽーんと鳴る音がした

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-08-17

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted