隣眠


埃っぽい駅名は
君の顔を奪う。
すやすや眠ってるから
知らない無理は言わない。




奪い去り方はよく知らない。
とろければ口 誘えば睫毛。
作用で浮かぶ器官の名前は
繰り返してる口角をいじって




君の子音からことばが漏れる。




目の前の広告主は
君の目元で視線を送る。
寄り添う は見られてる。
感触で作る君の手は買い物袋の奥の中。




寝息を避ける呼吸が痛い。
比重が押してく。
心臓にくっつく頬が上下すれば
酸素が甘く苺味,




分けてと囁く言葉も忘れる。




埃っぽい駅名過ぎて
移動時間は終わるだろう。
君の顔は何気ない。
戻ってきたとも 帰ってきたとも




言わないで起きるのが君で
着いてもまだイマドコと聞く。




駅名の前に唾を飲み込む。
揺れて起きる君が好きだ。

隣眠

隣眠

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-08-02

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