How to swim

池のアメンボの傍を通った。
尻尾の水玉が雨になると伝えた。
抱きしめるために帰りには
水滴を頬に乗せなきゃいけない。




湖面に映った自分の影は
魚影を連れて歩いてた。
減らない質量をその身に湛えて
沈む前には手まで振って。




きっと寄り道も無駄にしない。




マナティが住むには小さい円周で
歌声は教えられてもいなかった。
それでも 無くなったことを決められず
絵本を読む子は歌えもする。




バケツに入れたジンベイザメは
いつも夢だと指摘された。
文句ひとつ言わないのは
交わした泳ぎを憶えているから。




一緒にしたのはジャンプだから。




サインペンの文字が滲んだのは
誰のせいにもできやしなかった。
クジラが住んでた画用紙の表紙は
閉じて泣くには必要だった。




軽すぎてつんのめったのは
図鑑を忘れたからだった。
体重までは増やしていない,
手に持った重みだった。











池のアメンボの傍を通った。
尻尾の水玉が雨になると伝えた。
抱きしめるために帰りには
水滴を頬に乗せなきゃいけない。




ジンベイザメは喜ぶだろう。
絵本を読む子の歌が聴きたくなった。

How to swim

How to swim

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-07-26

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