『仰げば尊し』
いつかなんて来ないと知りながら
強がりなアタシは泣いたりしない
『仰げば尊し』
旅立ちの歌を空で歌えるようになれば
いよいよ別れの時と気を引き締めて
本当に別れたくない人を見たりもしない
ただ前だけを見て粛々とこなすだけ
これで最後って訳でもないしと笑う
君の言葉に真実味なんてなくて
これで最後に決まってるでしょなんて
アタシからは言いたくなかった
欲しいものを秤にかけるの
どちらか一方しか手に入らない
だったらアタシは君を選ばない
他に色んなものを持ってる君なんて
決して我儘ではないはず
写真の中の君を愛して生きてくだけよ
永遠に変わらない姿に安堵して
いずれ誰かに恋をするんだから
あの日アタシを救い出してくれた手は
今では突き落とそうと必死で
そんなの見たくなかったなんて
泣き言は空に投げ飛ばしたの
先生もそんもの拾おうとしないで
それはアタシがちゃんと捨てたもの
たとえ先生でも汚されたくない
また会いたいとかやめてよ
「あの子と先生なんて馬鹿げた天秤よ」
『仰げば尊し』