「ゆふぐれ」

 夕暮の
 重荷を抱いたその背中
 まっさらな背中
 傷は無いけれど
 皮膚の下はズタボロで
 手術でビードロ玉を埋められた
 ふれあスカートの膝かろやかなその背中
 白菊の髪留めで
 みつあみに結って笑ってる
 やがて眠る川に
 チェリイの唇うぶにつけて
 そのくせ全身色も無く濡れて
 灯籠を贈った君
 灯籠は橙にながれてく
 いつか泉下に沈むだろう
 泣いてるの?
  笑っているの
 なんて
 小指にグロスを舐めさせて
 首にらくがきさせながら言うことじゃない

「ゆふぐれ」

「ゆふぐれ」

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2024-04-22

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