『背中』

思い出の中の貴方は
いつも悲しい


『背中』


晩年ばかりを思うからか
遣る瀬無い人生にばかり
目が行きがちになる

貴方は貴方で
楽しかったことも
あったでしょうに

よく分からないの
愛情なんて曖昧で
この興味の無さを
言葉にできない

アタシの世界に
貴方は居なくて
それはもう
ずっとだから

生まれた時から
既に希薄なこの感情を
誰もが理解できないと
言うけどどうしようもない

スーツと眼鏡と煙草
それくらいしか
記号的にしか
貴方を言い表せないのよ

アタシが冷たいのでしょうか
それとも何かしら
欠損したものがあるの?



「煙草の匂いは貴方の匂い」

『背中』

『背中』

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2024-04-18

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