「裂傷」
銀の輪
片腕を縛れるほどな銀の輪には
名前も無く
ただ光に繋がる鎖は何
銀の輪胸に迫りて
開いた穴には
水がするする落ちてはとおりすぎる
いつの記憶かも分らない
とおい身近な匂いがする
思い出して微笑むには薫りは淡く
泪もかなしく懐かしむことしか不能ず
空虚だけがそなたの名残
今に花びらと消えさうで
拳は冷たく濡れるだけ
一粒の砂も包まれず
血の色が
きっと赤でありますように
「裂傷」
銀の輪
片腕を縛れるほどな銀の輪には
名前も無く
ただ光に繋がる鎖は何
銀の輪胸に迫りて
開いた穴には
水がするする落ちてはとおりすぎる
いつの記憶かも分らない
とおい身近な匂いがする
思い出して微笑むには薫りは淡く
泪もかなしく懐かしむことしか不能ず
空虚だけがそなたの名残
今に花びらと消えさうで
拳は冷たく濡れるだけ
一粒の砂も包まれず
血の色が
きっと赤でありますように
「裂傷」