「真冬の蝶」
死したる蝶々
その羽を引き千切って
馬鹿な腕に押し当てた
ぐしゃぐしゃと肌を汚して
蝶の固まった血が垂れる…
蝶は死んだ
生きては居れなかった
誰にも知られてはいけないこと
自分にも知れてはいけないこと
見てしまった
感じてしまった
蝶々は泣いて
自裁した
私の、前で…
何かに恋することの
哀れさよ、虚しさよ
誰にも分らぬ内が花
自覚した途端に枯れてしまうから…
あゝ蝶よ
悲しき恋の、従僕よ
「真冬の蝶」
死したる蝶々
その羽を引き千切って
馬鹿な腕に押し当てた
ぐしゃぐしゃと肌を汚して
蝶の固まった血が垂れる…
蝶は死んだ
生きては居れなかった
誰にも知られてはいけないこと
自分にも知れてはいけないこと
見てしまった
感じてしまった
蝶々は泣いて
自裁した
私の、前で…
何かに恋することの
哀れさよ、虚しさよ
誰にも分らぬ内が花
自覚した途端に枯れてしまうから…
あゝ蝶よ
悲しき恋の、従僕よ
「真冬の蝶」