「大聖堂」
探偵は旅人の如くさ迷えり
あてもなく
何も分らず
パイプオルガンの
怒りが嘆きに巡るる音
探偵はさ迷えり
ひた 肉体を疲弊さす
寒さ溶けざる春の雲
夕暮はしのびて
探偵の肩にうなだれかかる
ケットを両腕に捧げし修道女が
御堂の隅でうずくまりし
泣けり
泣けり
修道女はひた泣けり
探偵はさ迷えり
二つの哀しみのあいまじらむを
哀しき聖堂はひた祈れり
「大聖堂」
探偵は旅人の如くさ迷えり
あてもなく
何も分らず
パイプオルガンの
怒りが嘆きに巡るる音
探偵はさ迷えり
ひた 肉体を疲弊さす
寒さ溶けざる春の雲
夕暮はしのびて
探偵の肩にうなだれかかる
ケットを両腕に捧げし修道女が
御堂の隅でうずくまりし
泣けり
泣けり
修道女はひた泣けり
探偵はさ迷えり
二つの哀しみのあいまじらむを
哀しき聖堂はひた祈れり
「大聖堂」