「星の劇場」

 今日のぶんはもうおしまい
 また、おいで。と時計が言う
 一日数分の人形劇
 小指ほどな大きさの、人形二つ
 片方は獣だろうか、首輪を一筋赤い花の色
 もう片方は春の夜空
 雨の幻影朧の月
 白く霞に攫われそうな肌
 ねえ、あの二人はどうなるの?
 姿かたちも判明しない二人は…
 それは今度、今度だよ。
 星がまたたき何処かへ溶けた
 劇場の舞台は、もう見えない
 春の夜の夢を見る間、
 風のなんと寒いこと…

「星の劇場」

「星の劇場」

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2023-11-28

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