「命の星」

 細い氷の縫針に
 青いグラスが乗って居る
 グラスは青く
 緑で
 ちらちらと白霞
 薄いグラスはすうすう風とおす
 氷の縫針
 氷の縫針
 とうめいだな
 震えて居る
 雨が降れば
 川の袂が包めば
 水に溶けてしまうだろう
 そしたらグラスは?
 一思いに割れて
 欠片はどうなるのだろう
 闇に星となるのだろう
 燃えて
 行灯になって
 ほのぐらさで包み込む
 微かな暖色の名残の影…
 雨はどの道
  降るのである
 川は久遠より
  唄って居る
 そしてグラスは
  すなおである

「命の星」

「命の星」

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2023-11-16

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