人の人生

人間は浅ましい事を深く考え、長く強く深く生きようともがいて、果てぬ欲望の渇望の周期に身を置き、生涯を終え、言い人生だったと、不幸に目を背ける。僕はそれが我慢出来ない。夜な夜な六畳の部屋が一年二年と経て、五畳四畳と狭く、そしてそれが奥行きになったと錯覚して、尻尾を追う街灯の下の野犬がそこにいた。くるくるくるくる。そしてくるくる。プツンと何かが切れた音がしたと意識下に降りたときに、現実ではぷつりと音が横に過ぎ去り、それが聞こえる事は永遠に無くなった。

人の人生

人の人生

  • 小説
  • 掌編
  • サスペンス
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2022-07-17

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