Dear my little loving buddy
まるで夕焼けのようだ。
不謹慎かもしれないが火葬場から出てきた君を見て私は素直にそう思ったのだった。眠っていた木々も蕾を出し始め、暖かい色で埋め尽くされる春の青空から、心細そうに、まるで遊び足りずに泣き出す赤ん坊の様に、未練を残して真っ赤に染めて去っていくあの夕焼けだ。美しいのか残酷なのかは私には分からない。少なくとも分かるのは、彼女が去った後に残る足元を照らすにも及ばない頼りない孤独な月が、夕焼けの残り香を冷たく形取るだけだ。
外ではもう蝉が鳴いていて、世界が、私が、彼女が、誰がどうなろうと当たり前に繰り返されようとしていることに私は少し救われていた。
君がいなくてもまた春は来る。
君がいなくても空は赤く染まる。
Dear my little loving buddy