血を吐くような悲しさ
どうにかして、抜けださなくてはいけない状態なのに、私は小説を書けなかった。
私は文芸誌の新人賞について調べた。そうして、書くしかないのだ、そう思った。その前に私は短い小説みたいなものを四つ書いていた。
書けるかもしれない、私はそう思っていた。そうして、新人賞に応募するための小説について考え始めたが、どれもしっくりこない。そして、時間だけが過ぎていった。次第に私は書けない、そういう心境になっていった。
才能がない、そう思うのは簡単だった。人間、書く気になれば、一つくらい短編でも書けそうなものだが……。
私は書けないまま、年を取っていくのかもしれない。書きたい気持ちはあるのに、書けない。
書ける時期というものがあるのかもしれなかった、しかし、私はもう若くない。残された時間は少ないと思われる。
私はもう、待つのは疲れてしまったので、書ける時期というやつを待つ気になれない。私は投げやりな気持ちで酒を飲むだけだ。
失望、そう言っても足りない。血を吐くような悲しさだ。
血を吐くような悲しさ