夜明けの馬
青年は草原を歩いていた
表情は険しかった
『村を出たい』
それが青年の望みだった
手に持ったランプの火
消えそうだ
太陽を待つしかない
『もう少しだ』
朝は正確にやって来るのだ
今日は会えるだろうか?
白く美しい
夜明けの馬に
青年は友達がいなかった
毎晩独り酒だ
『終わりを待つ』
いつも青年は思っていた
あの日から青年は変わったのだ
生命を見たのだから
「会いに来たよ」
馬は青年に告げたのだ
今日は会えるだろうか?
白くて美しい
夜明けの馬に
夜明けの馬